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5月の中国経済指標:識者はこうみる

[北京 11日 ロイター] 中国国家統計局は11日、5月の各種経済指標を発表した。消費者物価指数(CPI)は前年比3.1%上昇と、2008年10月以来19カ月ぶりの高い上昇率となった。市場関係者のコメントは以下の通り。
●CPI上昇率、9月か10月まで加速し続ける
 <国泰君安証券(上海)のアナリスト、WANG HU氏>
 CPI上昇率は加速し続け、9月か10月にピークを打つとみている。その時期に利上げの可能性があり、年内はその1回だけと予想する。
 PPIは急ピッチな低下が予想され、鉱工業生産は減速基調だ。中国経済は今年後半に減速するだろう。
●インフレ圧力緩和、新規引き締め策はない
 <渤海証券(天津)のエコノミスト、ZHANG LEI氏> 
 PPIは5月にピークとなった。CPIは低いベース効果で6・7月に小幅上昇するだろうが、中国のインフレ圧力がかなり緩和したのは明確だ。
 5月の投資活動は、地方投資プロジェクトが事業体への規制強化で鈍化したが、鈍化は非常に緩やかで小幅だ。
 経済も総じて緩やかに鈍化しているが、成長はそれほど急激に鈍っていない。つまり二番底の可能性は非常に低いということだ。
 今後の政策に関して、インフレ圧力の緩和と景気鈍化見通しにより、新たな引き締め策は打ち出さないだろう。景気鈍化が見通し以上なら、政策を緩和することもあり得る。
 中銀はまず徐々に公開市場操作を緩和気味にするだろう。銀行の与信規制を緩和する可能性があり、下半期には前年よりも銀行借り入れが容易になるかもしれない。しかし大幅な政策緩和はまだ見込めない。
●6月もCPIの上昇加速すれば利上げの可能性
 <フィリップ・セキュリティーズ・リサーチ(上海)のアナリスト、CHEN XINGYU氏>
 5月の消費者物価指数(CPI)上昇率は、前月から安定化しつつあることを示しているものの、中国人民銀行(中央銀行)の目標を上回った。6月も上昇が加速すれば、利上げの可能性がある。
 中国経済の過熱は不動産など特定のセクターに限られており、他のセクターではそれほど多くのバブルは見られていない。ただ、外部環境が不安定なため、国内経済は依然として大きなリスクに直面している。
●インフレ率上昇続く見通し、数カ月以内に利上げか
 <カナダロイヤル銀行(香港)のストラテジスト、ブライアン・ジャクソン氏> 
 インフレ率はここ1年近く上昇トレンドが続いているが、政策金利は動いていない。当局は物価の圧力が年内に和らぐと確信しているようだ。ただ、マネーサプライの伸びが非常に力強い、数年ぶり高水準にある国内総生産(GDP)ギャップ、賃金の大幅上昇など、インフレ率がさらに上昇を続けうると考える理由は数多くある。
 中国政府は、不動産市場やユーロ圏問題の影響をより明確に把握するまで、政策引き締めを遅らせたい考えだが、この戦略は目先のインフレ見通しを踏まえると危険だ。われわれは今後数カ月に利上げと人民元切り上げを見込んでいる。
●鉱工業生産は景気減速を示唆、インフレ圧力緩和へ
 <ゴールドマン・サックス(香港)のエコノミスト、YU SONG、HELEN QIAO両氏>
 5月の鉱工業生産は、景気全般が減速していることを示している。固定資産投資と輸出の伸び悩みが背景だろう。消費は引き続きしっかり伸びている。
 消費者物価指数(CPI)と生産者物価指数(PPI)は、前年比で上昇が加速しているが、景気の減速に伴い、基調的なインフレ圧力はすぐに低下するだろう。
●内需は特に投資が鈍化、成長に下振れリスク
 <BNPパリバ(北京)のエコノミスト、ISAAC MENG氏>
 内需は特に投資については明らかに鈍化しつつある。不動産投資は依然増加しており、輸出も力強いが、これらの指標は景気動向を遅れて示す傾向がある。したがって、成長に下振れリスクがあると考える。成長率は8―9%に減速する可能性が高い。
●インフレ率上昇は市場のリスクに、利上げは第4四半期以降
 <バンク・オブ・アメリカ・メリルリンチ(香港)のエコノミスト、TING LU氏>
 インフレ率上昇は、市場ではネガティブに受け止められる可能性があり、数カ月はリスク要因となるだろう。政策への影響としては、当局が反射的に行動するとは予想されず、2010年第4・四半期まで利上げはないとみている。
 4月半ばに不動産市場抑制が導入されたが、固定資産投資の伸びに目立った鈍化はみられない。われわれは、民間住宅投資が減速した場合、その穴の大半は公共住宅投資によって埋められる可能性があると予想している。