第2四半期の米GDP速報値、年率2.4%増に鈍化
今年第2四半期(4-6月)に米経済の伸びは鈍化し、米政府はリセッション(景気後退)は当初考えられたよりも深刻だとの見方を表明した。これにより、米景気回復の力強さをめぐって懸念が強まっている。
米商務省が30日発表した第2四半期の米実質国内総生産(GDP)速報値(季節調整値)は年率換算で前期比2.4%増えた。この速報値では、企業の設備投資と輸出がけん引したことが示された。米経済の主要な原動力である個人消費は前四半期から減速した。
ダウ・ジョーンズ経済通信がまとめたエコノミスト調査では、第2四半期の米GDPは2.5%増が予想されていた。第1四半期(1-3月)は3.7%増と、速報値の2.7%増から修正された。ただ、米GDPは2007年第1四半期までさかのぼって下方修正された。
米政府による過去3年間のGDP値の修正では、深刻な景気後退からの米経済の反発が当初見通しよりも弱かったことが示された。例えば、09年第4四半期のGDP伸び率は年率5.0%と、当初発表の5.6%増から下方修正された。同期の個人消費は当初考えられたほど増加していなかった。
今年第2四半期の個人消費は年率1.6%増と、前四半期の1.9%増から減速した。
一方、企業の設備ならびにソフトウエア関連投資は引き続き拡大し第2四半期には21.9%と、第1四半期の20.4%から加速した。こうした数字で企業の利益拡大と、個人消費を引き続き抑制している長期にわたり低迷する労働市場の対照的状況が強調される格好となっている。
またこの日の統計では、米景気の軟調兆候として、物価上昇率も既に低い水準から第2四半期に引き続き鈍化したことが示された。
変動の大きい食品とエネルギーを除く個人消費支出(PCE)コア指数は第2四半期に前期比1.1%の上昇にとどまった。これは09年第1四半期以来の最低水準。今年第1四半期は1.2%上昇していた。
さらに米商務省は、09年通年の米経済成長率についてはマイナス2.6%と、当初発表のマイナス2.4%から修正。さらに、08年通年はGDPの伸びは横ばいで、当初発表の0.4%増から修正された。07年の米GDPは1.9%増と、当初発表の2.1%増から下方修正された。