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厳しさ増すヘッジファンド業界、ペロトンに続く破たんの可能性も

[ロンドン 13日 ロイター] 先週のヘッジファンドのペロトンの破たんは、クレジット状況が厳しさを増すなか、全体の規模が2兆5000億ドルとされるヘッジファンド業界の中で、これが最後とならない可能性を示している。

 ペロトンは資産総額30億ドルのヘッジファンドで、先週投資家に傘下の2つのファンドを清算することを通知した。業界全体の状況を示す出来事とみられている。

 銀行など融資の提供側はさらなる損失の回避に躍起で、かつて隆盛を誇ったヘッジファンド業界への締め付けを強めようとしている。

 ムーディーズの欧州オルタナティブ投資グループの責任者、オディ・ラハブ氏は「このような環境が続けば、さらに破たんするファンドがでてくる。状況が悪化すれば、プライムブローカーやカウンターパーティーが介入して資産管理に乗り出さざるを得なくなる」と述べた。

 では、どのタイプのヘッジファンドが最も危険なのか。

 銀行が評価損の処理に追われ、ヘッジファンドの高リスク資産へのエクスポージャーへの懸念を強める一方、クレジットの条件やレバレッジを制限している。このため、流動性の低い資産を対象に高レバレッジの債券取引を戦略としているファンドが最も危険と考えられる。

 過去数年ヘッジファンドは、複雑な資産の取引やレバレッジを高めることによって、競争の高いクレジットおよび債券戦略での高いリターンが求められてきた。

 こういった戦略は、市場が思い通りに動いている時や、借り入れのコストが安く容易な時にはうまく機能した。しかし流動性が枯渇し、市場がかつて高い価値を与えていた資産の評価方法が見直され始めると、反動がかなり大きくなる。

 <クレジットラインの厳格化>

 ペロトンにはクレジット危機の影響が劇的にあらわれた。2つのファンドの清算と閉鎖には、資産担保証券(ABS)ファンドの純資産価値の「著しい」低下が背景にある。

 ペロトンは、資産のクレジット価値に物理的な低下はみられないが、貸し手が担保基準を厳格化し、追加担保を要求したことを指摘した。

 このような問題は、約166億ドルのデフォルトに陥った米カーライル傘下のカーライル・キャピタル(CARC.AS: 株価, 企業情報, レポート)にも共通する。同社の債権者は、トリプルA格の住宅ローン担保証券(RMBS)を担保とした融資を大幅に削減した。

 融資や決済などのサービスを提供する銀行のプライムブローカー部門は、過去数年、魅力的な手数料収入を背景にヘッジファンドに積極的に貸し出しを行ってきた。ところが今は、より規模の大きな中核の顧客に焦点を絞っており、これがブティックと呼ばれる小さなファンドに打撃となっている。

 HSBDオルタナティブ・インベストメンツのファンド・オブ・ヘッジファンドのマネジャー、Tim Gascoigne氏は「一部のヘッジファンドに対する資金を引き上げ、中核の関係に集中せざるを得ない銀行もあった。ヘッジファンドに信用供与できる銀行もあれば、他で打撃を受けクレジットを引き上げざるを得ないところもある」と述べた。

 また、投資家がヘッジファンド選好を弱めたことも、状況の悪化に拍車をかけている。トリムダブスとバークレイヘッジによると、1月のヘッジファンドへの資金流入は25億ドル、12月は23億ドルにとどまった。11月は218億ドル、10月は160億ドルだった。