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バーナンキFRB議長、リセッションの認識に近づく

[ニューヨーク 28日 ロイター] 米連邦準備理事会(FRB)のバーナンキ議長は今週行った議会証言で、その言葉を発することこそしなかったものの、行間を読んだアナリストによると、議長は景気後退(リセッション)入りしているとほぼ認めるところまで近づいているという。

 世界的なクレジット危機が始まった2007年半ば以来、FRBは市場が過剰に反応することを警戒し、経済・金融状況がさらに悪化する可能性を示唆することには慎重だった。

 しかし、今週の議会証言で議長は景気判断について一段と踏み込み、07年第4・四半期に急速に減速した景気は少なくとも2010年まで通常レベルまで戻らないと示唆した。

 CMCマーケッツUSの首席為替ストラテジスト、アシュラフ・ライディ氏は「全米経済研究所(NBER)は、まだ米経済がリセッション入りしたと判定していないが、バーナンキ議長の証言は、国内経済がすでにリセッション入りしていることをほぼ認めている」と述べた。

 NBERは、リセッション入りなど米国の景気循環を判定することで知られる調査機関だが、その判定は、実際のリセッション入りの時期よりも3─6カ月程度遅れる傾向がある。

 NBERの次期所長に就任予定のマサチューセッツ工科大学のジェームズ・ポターバ教授は28日、CNBCテレビに対し、米経済が現在リセッション入りしているかどうか「判断するのは非常に難しい」と述べた。

 例えば2001年のリセッションの場合、実際はその年の3月に始まり11月まで継続したが、NBERがリセッションの判定を下した時にはすでにリセッショは終了していた。しかし、バーナンキ議長の発言から判断すると、経済成長の短期的な縮小と回復という時代は最早終わったと見られている。

 議長は、インフレ懸念も伴う中での経済成長見通し悪化の認識を示すとともに、これまで示していた悪化見通しが過度に楽観的だった可能性も示唆した。

 議長は議会証言で「見通しは引き続き下向きリスクがある。このリスクは、住宅市場や労働市場が現在の予想よりもさらに悪化し、クレジット状況は今後も大幅にタイト化するとの可能性を内包する」と述べた。

 一部の専門家が、バーナンキ議長のような慎重な人物の言葉を深刻な懸念として解釈するのは理解できないことではない。

 エドワード・ジョーンズの首席マーケットストラテジスト、アラン・スクラインカ氏は「リセッションと認めれば、その人の落ち度になる。だれも最初にそれを認める人にはなりたくないのが一つの理由だ」と述べた。

 リセッション長期化の脅威は無視できるようなものではない。サブプライムローン(信用度の低い借り手向け住宅ローン)関連の問題が山火事のように金融市場に波及し、金融セクターへの不信感が急激に募るなか、これまでは安全とされていた債券にまで悪影響が及んだ。銀行は1000億ドル以上の関連評価損を計上し、最終的にはその数字が3倍に膨れ上がると予想されている。

 この状況下でバーナンキ議長が現実を潔く受け止めるのは、それほど不思議ではない