3カ月物ドルLIBORが09年7月以来の高水準
[ロンドン 21日 ロイター] 21日の欧州インターバンク市場ではユーロ圏の債務危機がぜい弱な景気回復を阻害し、金融システムに打撃を与える可能性があるとの懸念から、3カ月物ドル・ユーロ・ポンドLIBOR(ロンドン銀行間取引金利)が軒並み上昇した。
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ただ、2008年の米リーマン・ブラザーズ破たん後に見られた危機的な水準は引き続き下回っている。
また、LIBORとOIS(オーバーナイト・インデックス・スワップ)のスプレッドも拡大し、カウンターパーティーリスクをめぐる懸念が高まっていることが示された。
3カ月物ドルLIBORは1ベーシスポイント(bp)超上昇し0.49688%と前年7月以来の高水準。週間では5bp超上昇した。
ICAPのエコノミスト、ドン・スミス氏は「ターム物の貸し出しに消極的となっており、市場でリスク回避の動きが継続していることを反映している」と述べた。
クレディ・アグリコルの債券戦略主任のディビッド・キーブル氏も「景気の2番底が懸念されている。欧州の銀行向け貸し出しは手控えられ、欧州の銀行同士も融資しようとしない」と指摘した。
2年物の米スワップ・スプレッドは46bp超に拡大し、前年8月以来の高水準となった。
ドルの金利先渡契約(FRA)とOISのスプレッドは引き続き拡大。アナリストによると、将来の貸出金利への大幅なリスクを市場が織り込んでいることを示唆している。
12月FRAとOISのスプレッドは約62.5bpと、今週初めの45bpから拡大。
4月19日以降、3倍超拡大している。
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